「海」「土」「森」−自然とのふれあいアルバム

忙しい毎日。でもちょっとだけ自然でのエピソードを読みながら、あの「海の鮮やかな青」「土のにおい」「森の気持ちよさ」思い出してみませんか?

掛け値なしの思い出、海の近くの水族館

      2017/05/27

現在30代後半の兼業主婦です。

小さい頃の思い出はたくさんあるのですが、教育者だった両親に手厳しくしつけられた記憶ばかりが残っているので、「小さい頃に戻りたい」と思うことは全くありません。

ですが、そんな私の心の中に聖域として輝いているのが、地元にある小さな水族館の思い出です。

すぐそばというわけではありませんが、私は海沿いの地域の出身です。

本当に小さかった2歳くらいの私を連れて、ある時両親は海へ行ったのですが、クラゲに刺されるわ・砂浜にあったとがった石のかけらで足を切るわ、と特に父親が散々な目に遭ってしまいました。

それ以来、「お父さんはもう海なんて行かないからな!」と怒ってしまい、以来これだけ近くに住んでいながら、浜遊びなどの経験は全くありません。(ちなみにティーンエイジャー時代には、サーファーどころか男の子とも付き合ってはいけないと言い渡されていました。)

しかし、そんな父も完全に海をシャットアウトすることはできなかったようです。ごくごくたまに、私を連れて小さな地元の水族館へ行きました。真夏の暑い盛りでも、中はひんやりと暗く湿った空気が流れていて、少し怖いような気もしました。

父は人混みが苦手でしたから、わざと人気のない日を選んで行ったのですが、そんな風に静かな日の水族館はしっとりと落ち着いた別世界に思え、まるで魔法がかかっているみたいだと私は感じたのです。

いわしやサバなど魚屋さんでおなじみの魚が、時おりきらきらと銀色の光を振りまきながら水槽内を泳ぎ回っている風景、まるでスローモーションのようにゆっくりと移動する奇妙な形の深海魚など、照明を落とした中で私はしっかりと父の手を握りしめながら、その夢のような世界に見入っていたのです。

水族館は基本的に自然科学の場なのですが、私にとっては掛け値なしに幸せだった、楽しかったと思える優しい幼少期の思い出の場であり、そして美しいものへの憧憬の念を育ててくれた場所です。

太平洋のすぐそばにある小さな別世界の海。今も帰省の折には、子どもを連れて足繁く通っています。

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