「海」「土」「森」−自然とのふれあいアルバム

忙しい毎日。でもちょっとだけ自然でのエピソードを読みながら、あの「海の鮮やかな青」「土のにおい」「森の気持ちよさ」思い出してみませんか?

瀬戸内海の海と、高校野球とカップラーメン

   

小学生の頃、毎年夏休みになると、2週間ほど瀬戸内海の島へ遊びに行っていました。

車でフェリーに乗って、1時間ほどかけて島に渡るのです。

 

甲板で感じる潮風や、近づいてくる島影に、毎年わくわくが抑えられませんでした。

 

島に着いて荷物を落ち着けるとすぐ、母をせかして海へと出かけました。

砂浜にビニールシートを広げ、ビーチパラソルを開いた影で私や弟を見守っていた母のまなざしと、ラジオから流れる高校野球の実況を、鮮やかに覚えています。

 

母が「休憩しなさいよ」と言うのも聞かず、本当に日がな1日、海に入っていました。

 

小さなカニやヤドカリを取ったり、海藻を身体にまきつけたり、シュノーケルで小魚がちらちらと泳ぐ海の底を覗いたり、砂浜に打ち上がっているクラゲをつついたり。

ときにはサビキ釣りをしに行くこともありましたが、2週間の間、毎日同じようなことをしているはずなのに、その同じような事が毎日キラキラと楽しくてしかたありませんでした。

 

今では考えられませんが、ひと夏の間に、背中の皮が2回3回めくれることも珍しくありませんでした。

かりんとうみたいに黒く焼けた背中が、熱いお風呂に入るとぴりっと痛くて、弟と悲鳴を上げながら潮を洗い流したものです。

 

いつも忙しくしていた母親が、夏休みに合わせて長期休みを取り、ずっと一緒に居てくれたことも、海の思い出をかけがえのないものにしている要因のひとつだと思います。

家でもよく食べているカップラーメンとおにぎりの簡単な昼食も、海水ですっかりふやけてしょっぱくなった身体で食べるととても美味しかったです。

もちろん、10分やそこらで食べてしまって、あっという間にまた海へと走り出していたのですが。

 

 

今でも、カップラーメンの匂いを嗅いだり、高校野球をテレビやラジオで聞くと、あの夏の日が思い出されます。

私が泳いでいたあの海水浴場は、未だひらいているでしょうか。夏休みの、高校野球のはじまる頃になると、ふっと心があの島へ遊びに行きたくなります。

 

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